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インドの布と「解放」について

【デザインラボチカさんのインドの布は私を解放してくれた】

畑を始めた時からずっと着ているインドの布の畑服。私にとって特別な存在です。

インドの布には命を感じます。
ブロックプリントという技法で作られる布は、まず木版を彫るところから始まります。職人さんがデザインを木に写し取り、小さな刀で少しずつ削っていく。そして白い生地を広げ、木のハンコに染料をつけ、一押し。また染料をつけ、一押し。
一版、一版、目の前の布と向き合い押されていく模様。そしてそれは時に、一種類のハンコで終わるのではなく、染料の色をかえ、別のハンコを重ねるように押していく。
1箇所に何度も何度もハンコを押していきます。
そんな果てしないとも感じる手作業。手作業だからこそ、模様はずれ、美しく重なり合います。
機械では表せない、美しさ。自由で、温かく、命を感じる布。

私は畑に出会う前、こうしなければいけない、とか、絶対にこれが正解、とか、こうするべき、みたいなものを感じながら過ごす事が多かったように思います。そして、心が縮こまり、窮屈で、そこから外れることがどうしょうもなく怖くて、不安、そんな風にも感じていました。
しかし、自然農の畑に出会い、そんな考えから解放されました。目の前には美しい命たちの世界が広がっている。私が何かしなくても、畑は、自然は、勝手に豊かになっていく。そこに”絶対にこうするべき”ことなんてなく、目の前の命の世界に入らせてもらう私は、そこにいるだけで良い。そうすると、とても大きな安心感を感じれて、心が開いていく。私の命が命としてそこにいれる幸せ。

インドの布も自然農の畑のように、窮屈で、不安でいっぱいだった私を解放してくれました。
ズレることは決して許されず、みんなと一緒じゃないといけない。
カチッと決められた通りに進まなきゃいけない。そんな風に思っていました。
でも、目の前のインドの布は、ズレたり、ぶれている。
なんだかそれが心地よくて、そのズレが全体において絶妙な柔らかな調和をとっているように感じました。
自由で、穏やかな揺らぎの中、離れたり重なり合ったりする美しさ。

私は私でいい。真っ直ぐな道を選ばなくてもいい。インドの布のような柔らかな揺らぎの中を進んでいったっていいんだ。そんな風に思わせてくれた私にとってとても大きな存在の布です。

そして、デザインラボチカのデザイナー、ツジマミさんの生き方と向き合い生まれるオリジナルデザインは、本当に美しいと感じます。
畑にも通じる豊かさや尊さをそのデザインから感じるのです。
インドの布は命を感じる布なのです。

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そんな美しいインドの布は時間と共に、洗濯と共に変化していきます。変化することを楽しみながら着ていただけるインドの布です。

新品のピカピカな状態が一番”綺麗”なのではなく、着る人それぞれが、それぞれの場所で作り出すストーリーが刻まれた洋服こそ美しくとても面白いと感じます。
色が落ちてきたら、染めてみる。
破れたらかわいい布で繕ってみる。
そんな風に、たったひとつの洋服を育てていく面白さを感じていただけると嬉しいです。

参考までに私が畑で着たこれまでの畑服の写真をいくつかアップしています。形は現在販売中の畑ワンピース、畑パンツとは異なります。

◎バグルー村の赤小花
2021.9→2022.10
深い赤から少しずつピンクになっていきます。これ以上は色が落ちないような印象です。
洗濯頻度:梅雨ごろから秋にかけては週3〜5回程とかなり多め。

◎ギンガムチェック(緑) ワンピース
2021.6→2022.1→2022.11
はっきりとした緑から優しい緑に。これもこれ以上は落ちなさそう。他の色に比べると色が残っています。緑は染料が比較的硬めなのか、同じ綿の生地でも、他の色より硬めな生地です。

◎都市の成り立ち(黒) パンツ
2021.6→2022.1→→2023.1深い黒から徐々にチャコールグレイに。最終的には薄いオレンジのように^^面白い変化です。

洗濯は粉石鹸、合成洗剤(蛍光漂白剤の入っていない普通の洗剤アタックやオシャレ着洗剤)、たまに酸素系漂白剤、ぬるま湯に浸け置き、など、色の変化は全く気にせず、ガンガン洗いました。
洗濯頻度もかなり多め。
ぬるま湯のつけ置きは特に色の変化を加速させる印象があります

色の変化については、着用頻度、洗い方、染料の種類や、職人さんが木のハンコにつける染料の量などでも変わってくると思います。
参考程度になさってください。

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生地のデザイナー、デザインラボチカさんが考えるインドの布の特徴についてご了承の上、ご注文ください。

インドの布の取扱状の注意、お洗濯方法、B品の状態などについての記載
https://www.design-labo-chica.com/attention/